インビザライン(マウスピース矯正)のメリットとデメリットを解説|恵比寿でおすすめの歯医者なら恵比寿一丁目小島デンタルクリニックへ

TOPICS

BLOGお知らせコラム

インビザライン(マウスピース矯正)のメリットとデメリットを解説

マウスピース型矯正には、様々な会社からサービスが提供されています。SNSや口コミでよく耳にするのがインビザラインではないでしょうか。ではインビザラインの何が優れているのか、一方デメリットは何か解説していきたいと思います。

そもそもマウスピース矯正とは何か

従来の矯正治療は、ワイヤーの力を利用して歯を動かしますが、マウスピース型矯正はその名のとおりマウスピースで歯を動かします。

コンピューター上で目標とする嚙み合わせまでの歯の動きをシュミュレーションして、必要な数のマウスピース(シート)を作成します。つまり、矯正を始める段階で、最後に使うマウスピースまで数十枚のマウスピースができ上がっています。

マウスピース型矯正の特徴

インビザライン・システムにかかわらず、マウスピース型矯正には以下の特徴があります。

①患者さん一人一人のお口にあわせたオーダーメイドのマウスピース矯正型矯正装置を作成します

②金属を使用しませんので金属アレルギーの方でも矯正ができます

③3D治療計画ソフトにより、歯の移動経過をコンピューター上でシュミュレーションできます

マウスピース型矯正が普及した理由

昔から今にいたるまで矯正治療は自費診療で保険診療が適用されない治療法です。つまり、矯正治療を専門にする歯科医はすべてを自費診療を行っている為、保険診療よりも少人数の患者さんの治療をおこなうことで利益をあげる事ができます。

しかし一般の歯科医師が矯正治療のノウハウを習得するには、診断(骨格と歯)とワイヤーを曲げるテクニックが必要で、その技術・知識を習得するには莫大な時間とコストがかかります。そこが多くの歯科医師にとっての参入障壁になっていました。

ところがマウスピース型矯正では、口腔内のスキャニングさえできれば(設備さえ整えれば)、あとはコンピュータが解析し治療が終わるまでのマウスピースを作ってくれるのですから、矯正の知識・経験・テクニックのない歯科医師にとってみれば、簡単に始められる最高のシステムです。よって矯正の知識・経験のない多くの歯科医師がこぞって利用し始めたことで、一般の患者さんにも普及していったといえます。

インビザラインが有名な理由

インビザライン・システム(以下:インビザライン)とは、アメリカのアライン・テクノロジー社が歯科医師を対象に提供しているマウスピース型矯正治療法の一つです。

1999年に提供を開始し、ここ数年で世界的にも爆発的に普及していきました。理由としては、後述しますが歯科医師側の事情が深く関係しています。

またデジタル黎明期からマウスピース矯正に取り組んでいたアライン・テクノロジー社のインビザラインは、先駆的な立ち位置にあると言えます。

このように様々なタイミングがかさなりインビザラインは広く世間に知れ渡るようになったと考えられます。

歯科業界にデジタル化の波

数十年前より、歯科医療業界にもデジタルの波が押し寄せております。

例えばかつて(15年以上前)はアナログのレントゲンが最も優れた診断方法でした。その証拠に私が学生時代はレントゲンフィルムの現像実習があったり、大学を卒業した歯科医師はクオリティの高いレントゲンを現像できるように必死で修行をしました。今考えると大変な手間と労力で、情熱がなければ高いクオリティを維持できませんでしたし、多くの歯科医師が他の業務に時間をとられ、レントゲン画像のクオリティにまでこだわっていられない実情がありました。

質の高いレントゲンを現像するには暗室 を用意し、 現像液 – 停止液 – 定着液 の順にタイマーで時間を測りながら、 温度計を確認しながら季節によって水温を変えていました。薬液の交換も定期的に行うのですが大変苦労しました。

それが今では、デジタル化したレントゲンが多くの歯科医院に普及し、歯科医師の質にかかわらず、いつでも一定レベルのレントゲンを現像(?)・撮影できるようになりました。

かつてレントゲンの撮影・現像の方法をレクチャーする高額なセミナーまでありましたが、いつの間にか無くなってしまいました。それは、デジタルの方が圧倒的にコストパフォーマンス・タイムパフォーマンスに優れていたからです。加えて、歯科用レントゲンには、デンタル・パノラマ・3DCTがありますが、すべてデジタルで連動する事ができるため、診断が歯科医師の経験値に左右されづらくなり、診断力が飛躍的に上がったと言えます。最近では、かつて2000万円以上した高額な3DCTも1000万円代で購入できるようになっているのも全国的に普及した原因の一つと言えます。

※アナログからデジタルへ医療機器を移行するには設備投資に高額な費用がかかります。新規開業する歯科医院は別として、従来からある歯科医院には資金的に大変負担となりますので、すべての歯科医院でデジタル化が進んでいないのが現状です。

アライン・テクノロジー社(インビザライン)独自の口腔内スキャナー開発

最近、我々の歯科医院でも口腔内スキャナーで歯型を採ることが多くなってきました。(※口腔内スキャナーに関しては、2024.03.26のブログに詳細があります)

最新の口腔内スキャナーはスキャニング精度もかなり高くなり、アナログ(アルジネート印象・シリコン印象)と比較しても、ケースによっては口腔内スキャナーで製作した方ができあがった補綴物(セラミック)の適合精度は勝っているケースが出てきました。

かつてはスキャン精度が低く、実用に向かない時代が長く続きましたが、アライン・テクノロジー社は独自の研究・開発を続け、口腔内の歯列・歯肉の位置関係(に特化した)を正確にスキャンできる口腔内スキャナーのを開発・実用化に成功しました。(※ただし歯の細かい形状のスキャニングは不向きで、他社の口腔内スキャナーの方が先行して精度の高い画像を実現しています)

これにより、一シートで約0.25mm~0.35mmの歯を移動できるシュミュレーションソフトと組み合わせ、マウスピース型矯正の原型をつくり、マウスピース矯正のパイオニアとなったのです。

他社メーカーのマウスピース型矯正は問題ないのか?

主要メーカー3社(アライン社製のアイテロ、デンツプライシロナ社製のプライムスキャン、3Shape社製のTRIOS)では基本的なスペックにほとんど差が無く問題はないと思います。当然ですが高額なスキャナーやシュミュレーションソフトほど、解像度や精度が高くなります。また各社で特性が異なり、若干の得意不得意な分野があります。しかし、一番大切なのは、それを使用する歯科医師診断力と正しい治療計画に尽きます。

※当クリニックではインビザラインも使用しますが、アライン社製マウスピース(インビザライン)は製作コストが高いのと口腔内スキャナー自体の汎用性の低さから、主にはデンツプライシロナ社製の口腔内スキャナー(プライムスキャン)、シュアスマイル(マウスピース型矯正装置)を使用しています。

現在のマウスピース型矯正の実情

前述したように、口腔内のスキャニングさえできれば、あとは3Dシュミュレーションソフトが自動的に解析し治療をすすめてくれます。

しかしシュミュレーションソフトでは骨格の診断ができないことと、歯が動いた際のトラブルの予測ができないことで、致命的なマウスピース型矯正の失敗の原因になっています。ここに治療計画をたてる歯科医師のレベルの差が如実にあらわれてきます。

十分な診断ができない歯科医が引き起こすマウスピース型矯正のトラブル。

①骨格の診断をしないで治療計画をたてると、骨格とまったく調和していない歯並び・歯列ができあがります。

見た目が美しく、話しやすく噛みやすい機能的な歯のポジションは、上下の顎の大きさで決まりますので、骨格の診断ができていないと歯並びは良いが上下顎前突(おサルさんみたいな顔貌)になったり、貧相なエステティックラインになってしまいます。

※3Dシュミュレーションソフトには正誤の判断はできず、歯科医師がたてた治療計画通りに歯を動かします。

②歯が動くメカニックスを理解しないで治療計画をたてると、ボーンハウジング(骨の中)から逸脱し歯肉がリセッション(退縮)します。

リセッション(退縮)を起こした歯は、知覚過敏をおこしたり歯自体が長く見えます。歯が動く際、歯周組織のリモデリングが起こりますが、非生理的な動きまでは3Dコンピューターでは予測する事ができません。

③上下の歯の調和分析をしないで治療計画をたてると、歯の隙間が閉じず綺麗な上下の嵌合状態を作れません。

つまり、食べ物が噛みづらく、息が漏れて発音がしにくい歯並びが完成します。

④現状の歯並びから最終的な歯並びを明確にイメージできないまま治療計画をたてると、無理な歯牙移動を治療計画に盛り込んでしまうため、シュミュレーションとおり歯が動きません。

そのため治療が計画通りに治療が終わらず追加のマウスピースを製作し続ける事になります

まとめ

マウスピース型矯正は目立ちにくく、歯磨きもしやすく矯正治療をうける患者さんにとってはメリットも多い治療法ですが、前述したとおり多くのデメリットも存在します。いくらコンピュータでシュミュレーションしても、最後までその通りに歯が動くとは限りません。よって定期的な歯科医師のチェックが特に必要なことを申し添えておきます。

ご覧いただきありがとうございます。 恵比寿一丁目の交差点・吉原ビルで開業13年(2024年現在)。渋谷区恵比寿駅徒歩5分の歯科医院『恵比寿一丁目 小島デンタルクリニック』です。 (旧称:恵比寿西口デンタルクリニック) 徹底した医療機器の滅菌・消毒に加え、コロナ禍でも安心な業務用空気清浄機や医科用滅菌器STATIMI2000完備。滅菌できな器具・手袋は全てディスポーザブルで対応しています。 セラミック・矯正分野を中心にインプラント・小児歯科・根管治療・一般歯科(保険診療)に対応致します。 歯科医師・歯科衛生士が不断の努力を行い常に最新のスキルの習得に加え、スタッフ全員の接客・接遇にも重きを置いています。全室個室の診療室。歯科医師・歯科衛生士が患者担当制にて対応致します。 地域に根差しつつ、遠方(福岡・長崎・岡山・大阪・愛知)からも歯科医師の紹介でご来院される患者様が多く、長く通っていただける歯科医院、患者様に信頼される歯科医院、同業者(歯科医師)に信頼される歯科医院となっております。 経験豊富な女性スタッフが常駐しておりますので、小さなお子様をお連れの患者様も安心して通院が可能です。 高度な医療技術を患者様の希望に合わせ提供すべく、癒しや安心をテーマとし、清潔感があり温かみのある院内で対話と相互理解を優先したトータルケアとホスピタリティの提供に努めております。 CT装置による3DX線による3次元診断。マイクロスコープによる最大40倍の倍率で歯周病や虫歯を治療します。基本的には完全予約制ですが、痛みやお困りの事があればご連絡ください。 Web予約可能。 恵比寿駅周辺(広尾・代官山・渋谷・目黒)で歯医者をお探しの方は、恵比寿一丁目 小島デンタルクリニックまでお気軽にご相談ください。

 

院長 小島将太郎

院長

小島将太郎

経歴

2003
日本歯科大学卒業
2007
ICOI(国際口腔インプラント医学会)認定医取得
2009
近未来オステオインプラント学会(IPOI)認定医取得
2012
恵比寿西口デンタルクリニック開設
2013
歯学博士号取得
2014
近未来オステオインプラント学会(IPOI)専門医取得
2016
恵比寿一丁目 小島デンタルクリニックに改名

所属学会等

ページトップへ