出っ歯の矯正について

出っ歯とは、いわゆる上下顎の突出、または上顎骨のみの突出と、骨格的には問題なく、歯だけが突出している状態を言います。

出っ歯を矯正するには下記の2通りがあります。

  • ワイヤーブラケットを装着し出っ歯を引っ込める方法
  • 歯を削りセラミックを被せたり、張り付けたりする方法
  • マウスピースで矯正する方法

出っ歯になる原因は下記のとおりです。

  • 遺伝的な要因(家族に出っ歯の人がいる)
  • 鼻が詰まって鼻呼吸ができない
  • 口唇が閉じず、いつも口があいている
  • 歯周病にかかっている
  • 奥歯が抜けてそのままになっている
  • 舌で前歯を押す癖がある
  • 舌が大きい 等々

矯正治療を開始する時期によっても、治療法が異なってまいります。

例えば、7歳までに出っ歯を確認できた場合は、口唇や頬、舌を正しく使うように訓練するだけで、治る場合があります。
また11歳までに出っ歯が確認できた場合は、ファンクショナルアプライアンス(機能的顎矯正装置)で治る可能性があります。
ファンクショナルアプライアンスとは、簡単に言いますと取り外し式の物が多く、患者様自ら脱着してもらいます。
お子様の場合は、なかなか装着してくれない事があり、思い通りに歯が動かない時があります。
その際は、歯牙に直接固定します。

歯並びが悪くなるという事は、顎堤と歯の幅径が合わない時に起こります。
例えば全部の歯の幅径が10センチで、歯が並ぶ顎堤の長さが8センチだと2センチ、歯が並ぶスペースが足らないという事になります。
よって歯は前に出るか、後ろに引っ込められるか、萌出スペースが無くて生えてこなくなるかの、何れかです。

平均的に6歳前後から永久歯に生え変わり始めます。まず下の乳前歯が抜け、永久歯が生えてきます。
順番に乳歯が生え変わりますが、犬歯が生え変わる前までしか、下顎骨は人工的に拡大することが出来なくなります。
上顎骨は、18歳ごろまで拡大することが可能です。

また骨格性の出っ歯と、歯性の出っ歯があります。
骨格性の出っ歯は、遺伝的な要因と、幼少時の体癖、舌癖、食生活などが関係してきます。
歯性の出っ歯は、歯周病による病的な歯牙移動、遺伝的要因、舌癖などが関係してきます。
成人になってから歯が出てきたように感じる方は、歯性の出っ歯の可能性が高く、歯周病と口呼吸、舌癖をチェックされた方がよいと思います。

実は歯は簡単に動くのです。
例えば、手で前歯を毎日、前方に弱い力で押し続けた場合、2~3か月で出っ歯になります。
また歯列は通常、U字型で顎堤上に並んでいます。なぜU字型に並ぶかと言いますと、頬と舌がお互いに押し合い、力がゼロになる場所に並んでいます。
力がゼロになる場所とは、例えるなら、お相撲さんが、がっぷり四ツで組み合った時にお互いの押し合う力が均衡している場合、動かなくなりますよね。
あの状態が力がゼロになっている状態です。舌を前歯の裏側にあてる癖のある方は、口唇が内側に歯を押そうとしていても、舌の方の力が強いため、前歯は前に出てしまいます。

たまに街中でも口をポカーンと開けている方を見かけますが、その方の唇はたいてい分厚くたるんでいます。
これは口唇の筋肉や口の周りの筋肉が働いていないため、唇が厚くなってしまうのです。
さらにこういう方は、鼻炎の既往があり、鼻呼吸がしづらく口呼吸になっている可能性が高いのです。
歯医者で出っ歯を治すためには、まず耳鼻咽喉科を受診していただき、鼻呼吸ができるようになってから治療をはじめると、よりよい結果がでると思います。

次に具体的な治療方法に関してご説明いたします。

ワイヤーブラケットを装着し、出っ歯を改善する場合の治療期間は4~5年です。
歯の出方、顎の小ささ、歯周病の有無、抜歯をして矯正するかしないか、根の病気の有り無し、被せ物の有り無しなど、様々な要因によって治療期間は変わってきます。
ワイヤーブラケット矯正は治療期間の長さや、ワイヤーを装着する事への審美的な問題から、嫌厭されがちです。
しかし、理想的なかみ合わせを獲得し、長期間健康な状態で歯が存在し、一生、口から栄養を摂れる状態にするには、良き治療法だと思います。
また歯を削りセラミックを被せ、出っ歯を改善する方法ですと、1~6か月で治療を終えることができます。

セラミックを被せ、歯並びを改善させる方法のメリットは短期間で終えられること、歯の形を変えられること、歯の色を変えられることです。
但し、デメリットもあります。
それは、歯を削るという事です。
歯の構成成分であるエナメル質や象牙質、神経は削ってしまうと、再生させることは不可能です。
人工物が永遠に存在出来ないことは、過去を振り返れば明白ですよね。
慎重な診断と決断が必要だと思います。

マウスピース矯正のメリットは、ワイヤーブラケットを装着しないので、審美性が大変よく周囲の方から気づかれずに歯を綺麗に並べることが出来ます。
但し当然ですが、デメリットと適応症があります。
デメリットは取り外し式である為、患者様に装着して頂かないと、歯が動かないという事です。
また適応症としては、抜歯を含む大きな歯の移動を伴わない場合。
簡単にいうと、ちょっとの叢生(歯並びの悪さ)しか適応できないという事です。

初めての方でもお気軽にご相談ください